嘘恋のち真実愛
デートの予定があると言えたらいいけど……待ちたくないメールを待つしかない。

待っていないメールは、夕方五時過ぎに届く。クリックして、開くとファイルが添付されていた。

ファイル名は『極秘』。極秘のファイルなんて、開かず捨ててしまいたい……。

ファイルを開かず、別のメールの返信文を入力していると、また部長からメールが届いた。

内容は『確認しましたか? 返信がないけど』……『少々お待ちください』とすぐに返信して、入力途中のメールを送信してから、『極秘』ファイルを開いた。


「 はぁ?」

「芦田さん、なにかありました?」

「ううん、なにも。ごめんね、変な声を出してしまって……」

「いえ、平気ですよ」


私のパソコンを覗き込もうとする鈴川くんを制止して、開いたファイルを一旦閉じた。ちゃんと確認はできていないが、シナリオ形式に書かれていたから、動揺した。

あのシナリオのとおりに演じろということよね?

チラリと部長のデスクに視線を移す。部長もこちらを見ていて、ドクッと心臓が大きく動いた。

そんな意味深な目で見ないで……。すぐにそらした私は、再度開いてシナリオに目を通す。
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