嘘恋のち真実愛
そして、戻ってきたマスターに空になったジョッキを差し出す。
「マスター、おかわりください」
「閉店まで飲んでも構わないけど、飲みすぎないでね」
「はーい。あ、そうだ! 婚活サイトより、マスターの知り合いでいい人、いないですか?」
「俺の知り合い? 基本俺みたいなおじさんばかりで、おすすめできるほどのいいヤツはいないな」
確かにマスターくらいの年齢の人を勧められても、困るかも。どうしようかと三杯目に口をつけたとき、小さく笑う声が横から耳に届いた。
必死になっている姿を笑われた?
でも、笑うなんて失礼ではないかとその声の方へ顔を向ける。反対側の端に座っている男性が頬杖をついて、こちらを見ていた。
私は「あ!」と口を手で覆う。なんで、入ったときにちゃんと顔を見ていなかったのだろう……。
「ん? ゆりかちゃん、こちらのお客さんのことを知っているの?」
「あ、うん、いえ、あ……いや、どうして……」
動揺で何を言ったらいいのか、わからなくなった。
しどろもどろになる私の様子を見ていた彼……同じ会社に勤める営業部長である大江征巳(おおえまさみ)さんは、ゆっくりとこちらに向かってきて、私の隣の椅子に座った。
「マスター、おかわりください」
「閉店まで飲んでも構わないけど、飲みすぎないでね」
「はーい。あ、そうだ! 婚活サイトより、マスターの知り合いでいい人、いないですか?」
「俺の知り合い? 基本俺みたいなおじさんばかりで、おすすめできるほどのいいヤツはいないな」
確かにマスターくらいの年齢の人を勧められても、困るかも。どうしようかと三杯目に口をつけたとき、小さく笑う声が横から耳に届いた。
必死になっている姿を笑われた?
でも、笑うなんて失礼ではないかとその声の方へ顔を向ける。反対側の端に座っている男性が頬杖をついて、こちらを見ていた。
私は「あ!」と口を手で覆う。なんで、入ったときにちゃんと顔を見ていなかったのだろう……。
「ん? ゆりかちゃん、こちらのお客さんのことを知っているの?」
「あ、うん、いえ、あ……いや、どうして……」
動揺で何を言ったらいいのか、わからなくなった。
しどろもどろになる私の様子を見ていた彼……同じ会社に勤める営業部長である大江征巳(おおえまさみ)さんは、ゆっくりとこちらに向かってきて、私の隣の椅子に座った。