俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
ちょっと待てちょっと待て…。

いったい何なんだ?この展開。

もう、真実を打ち明けられても、理解しきれず頭がこんがらがったままだ。



しかも…なぜ、こんなに険悪なんだ?女同士。

胸が、ザワザワもやもやする。

やめ。やめやめ。…ケンカはやめ!



何とも複雑な心境に陥り。

この二人の間に挟まれて、いても立ってもいられない俺。

ペンギン様ボールペン握りっぱなしの拳が、汗をかいている。




「さあ…どうなんだよ?」

「………」



状況的に、追い詰められている薫の方が分が悪く、なずなの方が圧倒しているが。



それに…。



なずな。

おまえ、なんて悪い顔してんだよ。



おまえは…俺のすきな人だぞ?



自分の想う相手が、悪役の立場になっているのは、何とも言えない。

基本悪いこと考えてばっかいるが。

本当は、そうじゃねえだろ。




「…素直に認めたらどうだ?嘘八百こいて、伶士の気を引こうとでもしたんだろ?復縁してあの時の情熱をもう一度…!なのか、伶士を都合良く使おうとしてんのか知らねえけど?」

「くっ…!」



…そうじゃねえだろ!



もう、どうも我慢ならなくて。

暴挙に出てしまった。


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