俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
騙されやすい、だっせぇ男…。


…これが、なずなの俺に対する印象か。


はっきり言えば。

なんて情けない。



でも、だってだってだって。

深刻そうに相談されりゃ、力にならなきゃって思うじゃん。

まさかのまさかで、自分に近付く口実で嘘つかれてるなんて、夢にも思わねえじゃん。



情けない言い訳を、頭の中でズラッと並べてみる。

それ自体が情けないんですが。



ずーんと落ち込む。



穴があったら、入りたい。

そこで、泣きたい。



まさに、残酷物語。




「…っつーか、なに一気に疲労困憊なってんだ?おまえ」

「………」



俺の心情を、このギャルは知る由もなく…。



「…まあ、そこが伶士の悪いところでもあり、良いところでもあるんだけどな…」

「…え?」



そう口にするヤツは、へへっと笑う。



「それは、どういう…」

「だからおまえ、12回も誘拐未遂に合うんだってこと」

「…えぇっ!」

「いひひひ」



これは、イジられてるのか、ディスられてるのかわからない…。



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