俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
そんな昔のことをも引き合いに出されて、滅多うち。

俺、どこに逃げればいいんだ。



《良いところでもある》



ここしか、逃げ場がねえじゃん…。

どん底。

ヤツの眼中に入るようになるまで、相当努力しなければならない。



「…まあ、金輪際、女には警戒心持て。っつーことだな?ぷぷぷぷ…」

「なんだよそれ…」

「でも、れ……え?」



会話の途中だが。

急になずなの顔色が変わる。



「………」



無言で、俺の顔をじっと見たまま。



え…何?



「れ、伶士…?」

「え?どした?」



俺の顔から目を離さす、ゆっくりと顔を近付けてくる。



「ち…ち、ちょっ」



制止しようとしても、少し後退しても。

なずなはグイッと顔を近付けてくる。

視線が気持ち下で、そこは…俺の唇の方?




ど、どうした…?



しかし、ハプニングとは一瞬で。

行動ひとつで急転直下。



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