俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「あぁー…俺から嫉妬心無くなったら、俺じゃ無くなるな。こう見えても俺、マリアナ海溝並みに嫉妬深いし?」

《………》

「この嫉妬深さで、彼女に近付く男を何人も殺してきたわ。ホント」



本当に、殺人兵器だったのですか?



すると、傷付いた体を抱えながらも、魔族は苦し紛れに虚勢を張ってるのか《クックッ…》と、笑い出す。



「何がおかしいんだよ」

《人間とは愚かだな?…たかが男女の色恋沙汰で、羨望と憎悪を入り交じらせた感情を持つ…その負の感情が、思考を、身を滅ぼし、我々のエサになるとも知らず…》



しかし、竜堂は「そうか?」と、あっけらかんに返答する。



《そうであろう?力を持たない人間という生き物は。くだらないことで、憎しみ、悲しみ…》

「…だからいいんじゃねーかよ」

《…はっ?!》

「くだらないことで泣いたり笑ったり、怒ったり出来るから、この世界楽しいんじゃねーかよ。…そんなことを味わうことも出来ねえなんて、おまえら魔族の方が哀れだわ」

《な、何だと!お、おまえら人間は、我々にとっては食糧に過ぎぬ分際で!》

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