俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「…だから、そういうこと。『何故人間は、悋気の炎を絶やさぬのか?』…答えは、絶やす必要がないから!以上!」
…最後のまとめは、かなり無理矢理だ!
そして、竜堂は言いたいことを言い終えると、拳の光をこさえたまま、足をジリジリと踏み込み始める。
一方のコスプレ魔族も、敵が戦闘態勢に切り替わったのを感じて、怒りと警戒の形相を更に見せている。
「惑乱せよ…」
キィンと耳鳴りのような音をたてる。
光の塊は徐々にひとつの輪へと形を変えて、それを拳が纏う。
規則的に輝きを増す光、まるで生きているかのよう。
その拳を更に引いて、踏み込んだ。
「狂い酔え、光流…『闥婆法輪』!」
光の輪を纏った拳を振り下ろして、ブンッと勢い良く前に突き出す。
その反動で、光の輪が拳から離れて、スピードをつけて魔族を襲う。
《…体術ではないのならば、敵ではないわ!》
魔族も右手を振り上げ、襲いかかってくる光の輪を刃を振り落として薙ぎ倒す。
…だが。