俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
しかし、ママというぐらいだから、夜の世界を長く生きている人。
観察眼というやつは鋭く、俺の考えていることをわかってしまったのか。
「…あんた」
火のついた煙草を手にしたまま、先ほどより更に睨みを効かせて俺を見ている。
ジロッと…はっ!
な、何で?!
「…私が何を言いたいのか、わからないのかい…?」
「え?え…」
どういう形成でしょうか。
なぜか、ママは俺を睨み付けまくって、凄んできている…!
火のついた煙草は、灰皿にぐしゃぐしゃと潰してグイッとこっちにやってきて、下から覗き込まれるようにジロッと睨んできた。
えっ…!
「…まさか、今のセリフを、なずなが本当にレスラーのマスクを付けてケンカしてるとか退魔調伏してるとか…本気で思ったんじゃないだろうね?!」
「あ、あ、あ…」
違うんですか。と、言えない雰囲気だこれは…!
しかし、はいともいいえともとれない俺の返答には、ママの怒りを更にかったようだ。
「…煮え切らないね!…おまえは天然か!」