俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

「え?天然?…癖毛?じゃ、ありませんけど」

「は?髪?…そこをどうこう言いたいんじゃないわぁっ!」

え?あ…しまった!

しかし、失言に気付いた時にはもう遅い。



そう怒鳴られ、顔が迫ってきたと思ったら…額に痛みが走って、頭がガクンと仰け反ってしまう。

痛っ!…何?!



視界に入ったのは、ごっつい人差し指だった。



デコ…つつかれた?

すごい重い一発だったぞ?



「…おまえ、なずなに惚れてんだろう」



え…何っ!



仰け反る頭を戻したとたん、不意に突き付けられたその一言に、ドキドキッとさせられてしまう。

な、何この人急に…!

本心すっぱぬかれた…!



「え、あ、あ、あのっ!」

「…こんな陰陽師の依頼にホイホイ着いてくるなんざ、余程あの子に惚れ込んでるか、頭が最高にイカれてるかのどちらかだろう!…おまえっ!…このっ!」

「わっ!…ち、ちょっと!…何するんですか!…わわっ!」

「やかましい、このヘタレ!生半可な気持ちであの子に近付くんじゃないよ!」

「へ、ヘタレ…ぎゃっ!…や、やめっ!…わわっ!」

口を開こうものなら、それを阻むかのように額をツンツンツンツンと次々につつかれる。

…どっかの誰かと一緒!


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