俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

「うんー。実はさっきも見かけてー。昨日とか一昨日ぐらいもー、朱雀会の人達が地下に入っていくのを見たって、上のスナックの人達が言ってたぁー」

「な、何だって…!」



その顔色のまま、なずなは無言で立ち尽くす。

しばらく、固まったまま。



そんな中でママが「木嶋?何であんたは早くそれを言わないんだい!」と、フリージアさんを小突いている。

「えへへ。そう言えばとおもってぇー」と、フリージアさんは「てへぺろー」と舌をペロッと出していた。



「…フリージアさん、ありがと!ママ行くわ!」



そう言って、なずなは思い立ったように店を飛び出す。



「あ…おい!」



続くようになずなの後を追って店を出る。

背後から、ママの「死ぬんじゃないよ!」という声が響いていた。

ヤツはあっという間に端の非常階段を降りていく。

一階に降り立ったところで、なずなはエントランスのど真ん中に立ち尽くしていた。



「お、おい…」

「気付かなかった…」



駆け寄ると、キッと向こうの方向を見やる。



「結界が張られてる…地下に」



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