俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「…被害の正体は、このガタついたガサい結界から漏れた魔力だ。それに、木嶋が出入りしてるっつーんなら、話が繋がってくる」
「木嶋?…誰」
「…ヤクザ」
「や…は、えぇっ?!」
ヤクザ?!な、何でヤクザ?!
しかし、その詳細を語る前に、なずなはその階段を降り始める。
…あ、ちょっと!
って、ここから先は恐らく危険だというのに、俺に『帰れ』と言う間もなく先に進んでしまっている。
あまりの展開で、それどころではないらしい。
まあ、俺としてはしめた感じではあるけど。
…着いていくさ。
ババア(ジシイ?)にあんなこと言われて黙ってられるかよ。
階段を降りていくと、その終わりには何故か黄色い規制線が張られている。
これは…わざと張られたものか?
そこを潜って降り立ったフロアは地下階だが、他のフロアとは見た目の作りはそんなに変わりない。
テナントが入っていないみたいで、閑散とした感じがする。
当たりをジロジロと見ながら警戒して鈴村なずなの後を歩く。
そして、真ん中のドアの前で立ち止まった。