2度目の人生で世界を救おうとする話。前編






「…はぁ。蒼」

「はいはーい。まあ、そうなるよね」


全員の視線を受け取った琥珀はめんどくさそうに蒼を見つめる。すると蒼はにっこり笑って頷いた。


「じゃあさっそく当主集会を始めよっか。今日話したいのは夏祭りの1年生全員参加の任務の話のことなんだけどね…」


そして流れるように蒼の進行の元、当主集会は始まった。


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「と、まあ、大体の概要はこんな感じかな。何か質問とかある?」


わかりやすく、聞きやすい蒼の今回の任務の説明が終わる。

今回の当主集会の議題は、2週間後に控える私たち1年生全員参加の初任務の話だった。

蒼が説明した概要はこうだ。

妖は基本夜に動くことを好み、力が弱ければ弱いほどそういう傾向にある。
そしてこの時期になると日本の各地では夏祭りが行われる。

夜であることと、一箇所に沢山の人が集まること、この2つの状況が揃った夏祭りという環境はまさに弱い妖の好む、弱い妖が現れやすい環境だった。

なので能力者たちはこの時期になると日本各地の大規模な夏祭りの場に向かい、妖が悪さをしないように目を光らせるという任務がある。










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