先輩、恋愛はちょっと待ってください!!2
健康診断の時は、私たちはまだ入社していない。そのため、スーツで来ている人が多かったんだよね。でも、私は高校を卒業したばかりでスーツなんて持っていなかったから、脱ぎ着のしやすいトップスとスカートにした。でも、その看護師さんは胸元が大きく開いた露出の多い格好で来ていて浮いていたから……。悪い意味でよく覚えてる。

「もう少し力を入れてみようか」

「できません〜!幸野さんも一緒にやってください〜!」

幸野さんを明らかに狙っている。上目遣いをして、幸野さんが手を重ねてくれるのを待っているんだ。その様子を見て、私の胸はなぜか痛んだ。

「これくらいの力だよ」

幸野さんは躊躇うことなく新人看護師さんと手を重ね、一緒に患者さんの体を拭いていく。その様子を見ていてモヤモヤが止まらなかった。

私はゆりりんをナースステーションに置き、看護補助員の仕事をまた始める。そろそろ消毒し終えた通水ボトルを洗って乾かさないとね。

「今話しかけたら、邪魔になっちゃうもんね……」
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