先輩、恋愛はちょっと待ってください！！２

そう呟く私の声は、なぜか震えていた。それを誤魔化すため、私は水道の水を思い切り出し、傷付いた心を誤魔化すように通水ボトルを洗い始めた。



それから数日。モヤモヤした日々が続いた。

新人看護師さんはいつも幸野さんに何かとベタベタしていて、幸野さんは嫌そうな顔は一切見せない。その態度に、私にアプローチしていたのは何なのと思ってしまう。

看護師さんたちは、まだ研修期間だ。色んな階に研修に行くらしい。やっと新人看護師さんが別の階に研修に行ってくれた。なぜか私はホッとしてる。

「お疲れ様、すぐりちゃん」

仕事が終わり、幸野さんに声をかけられる。私も「お疲れ様です」と久々に笑顔を見せた。幸野さんの前ではモヤモヤして最近は笑えてなかったからね。

「わっ！やっと笑ってくれた」

嬉しそうに幸野さんは言う。私は「何か甘いもの食べたいです」と笑った。いつもは幸野さんに誘われてるけど、今日は私から誘いたくなって。