シンデレラの網膜記憶~魔法都市香港にようこそ
それを見るだけでも、もうエラは十分ワクワクしたり、感心したり。さらにショップで、独自のセンスで世界各国から集めてきたおしゃれな商品や、ほかでは絶対に手に入らないオリジナルデザインの一点もの商品が並べられているのを見ると、もうエラは涙ぐんで、ショップからなかなか出てこない。
さすがのタイセイも疲れ果てて、PMQ のレストラン「ISONO」に陣取り休むことにした。なるほど、このレストランでも、店内のインテリア、売られているパンやスイーツなどに、ちょっとしたクリエイティビティが感じられる。
どれくらい経っただろうか、スケッチブックを胸に抱きしめてエラがようやくショップから中庭に姿を現した。
中庭の見えるバルコニー席に陣取っていたタイセイにはそれが良く見えた。またもや、彼を見失って慌てているようだ。タイセイが指笛を吹いて、その存在を示す。
彼の姿をレストランに見出した彼女は、安心したようだったが、彼のいるレストランには近寄らず、中庭の縁石に腰を掛けてしまった。それを見て、レストランの席で見ていたタイセイがやおら席を立った。
エラは驚いた。彼が自分の存在を知っているということはわかっていた。だから今まで、後をついていくことを許してくれたことには感謝している。しかし、だからと言って彼が自分とのコミュニケーションを、積極的に望んでいるとは到底思えなかった。その彼があからさまに自分に向かって歩いてくる。なぜか、心臓が高鳴り、慌てるエラ。腰を浮かせて、逃げ出そうと思った瞬間、エラは彼に手首をつかまれた。そしてカフェレストランに引きずりこまれてしまった。
タイセイはバルコニーの席の椅子を引いて、エラに座るように促す。
座る時に、男性にエスコートされ椅子をひいてくれるなんて…エラには初めての経験だった。エラは、目の治療をしてもらった時に聞いた、あの優しい声を聞いた。
「こんなとことで偶然お会いするなんて…奇遇ですね」
エラは、顔を真っ赤にしてうつむきながら、弱々しい返事を返す。
「嫌味を言わないでください」
彼女は付いて歩いている理由を説明したいのだが、彼女が幼い時に出会い、そして決して忘れられないでいたものに、ようやく出会えたような感じを解明するため…なんてわかってもらえっこない。
黙り込んでしまったエラに、タイセイはまたもや助け舟を出す。
さすがのタイセイも疲れ果てて、PMQ のレストラン「ISONO」に陣取り休むことにした。なるほど、このレストランでも、店内のインテリア、売られているパンやスイーツなどに、ちょっとしたクリエイティビティが感じられる。
どれくらい経っただろうか、スケッチブックを胸に抱きしめてエラがようやくショップから中庭に姿を現した。
中庭の見えるバルコニー席に陣取っていたタイセイにはそれが良く見えた。またもや、彼を見失って慌てているようだ。タイセイが指笛を吹いて、その存在を示す。
彼の姿をレストランに見出した彼女は、安心したようだったが、彼のいるレストランには近寄らず、中庭の縁石に腰を掛けてしまった。それを見て、レストランの席で見ていたタイセイがやおら席を立った。
エラは驚いた。彼が自分の存在を知っているということはわかっていた。だから今まで、後をついていくことを許してくれたことには感謝している。しかし、だからと言って彼が自分とのコミュニケーションを、積極的に望んでいるとは到底思えなかった。その彼があからさまに自分に向かって歩いてくる。なぜか、心臓が高鳴り、慌てるエラ。腰を浮かせて、逃げ出そうと思った瞬間、エラは彼に手首をつかまれた。そしてカフェレストランに引きずりこまれてしまった。
タイセイはバルコニーの席の椅子を引いて、エラに座るように促す。
座る時に、男性にエスコートされ椅子をひいてくれるなんて…エラには初めての経験だった。エラは、目の治療をしてもらった時に聞いた、あの優しい声を聞いた。
「こんなとことで偶然お会いするなんて…奇遇ですね」
エラは、顔を真っ赤にしてうつむきながら、弱々しい返事を返す。
「嫌味を言わないでください」
彼女は付いて歩いている理由を説明したいのだが、彼女が幼い時に出会い、そして決して忘れられないでいたものに、ようやく出会えたような感じを解明するため…なんてわかってもらえっこない。
黙り込んでしまったエラに、タイセイはまたもや助け舟を出す。