あやかしの集う夢の中で
あやかし王の放つ闇
「桜介、何だかヤバい雰囲気だよ。

あやかし王の両手に暗闇のオーラが溜まっているみたい」



「愛理、悩んでたって仕方ないぜ。

先手必勝。

やられる前にやっつけろだ！」



あやかし王の両手に溜まっていく暗闇のオーラに愛理は不安を感じて警戒し、桜介は不安を感じながらも強気な態度を崩さなかった。



桜介は今、自分にできる最高の戦いをイメージしながら、炎のオーラを溜め込んだ右手をあやかし王にかざしていた。



「いけ、炎の技よ。

スーパー大炎上！」



桜介がそう叫んだ次の瞬間、桜介の右手から巨大な炎が飛び出していった。



そしてその巨大な炎は渦を巻くように回転しながら、あやかし王の体を飲み込もうとしていた。



「よし、当たれ！」



桜介はあやかし王に迫り行く炎の技に気持ちを込めた。



あやかし王さえ倒せばすべてが終わる。



舞の夢の中の世界から夢妖怪は姿を消し、舞は元の笑顔を取り戻して、オカルト部の部室に入ってくるだろう。



気品溢れる舞の存在は、オカルト部の部室に咲く一輪のバラのようだ。



そんな華やかで他の人とは変えられない舞の存在がオカルト部には必要なのだ。



桜介が解き放った巨大な炎は、今まさにあやかし王に直撃しようとしていた。



でもそのとき、あやかし王は天高く飛び上がり、巨大な炎を回避していた。
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