あやかしの集う夢の中で
あやかし王を焼き尽くせ
「桜介君、もう大丈夫です。

桜介君の傷は癒えました!」



カノンはそう言って、癒し系の優しい笑みを桜介に向けていた。



そんな中で桜介は闘志と共に起き上がり、時宗とあやかし王の戦いに目を向けた。



互角の戦いを繰り広げていた両者だが、時宗に疲れが見え始めていて、これ以上の長期戦は時宗には不利だった。



(待ってろ、時宗。

オレが行くから。

あやかし王に強烈な一撃をくらわしてやるからよ!)



桜介は胸の中に確かな思いを詰め込んで、再び自分が最強だと思い込んだ。



夢の中の世界では思いが強い奴が最強になれる。



桜介は時宗が言ったその言葉を胸に、持てる力を出し切って、あやかし王と戦う決意を固めていた。



「カノンちゃん、ありがとう。

傷が癒えて、体が動くよ。

これでオレは戦える。

あやかし王はオレが倒すよ!」



「頑張って下さい、桜介君。

桜介君なら絶対にできるって、カノンはちゃんと信じています!」



人の言葉や思いを絶対に否定しないカノンは、やっぱり癒し系の女の子だ。



カノンと話すと、自信が持てるし、勇気も沸いてくる。



桜介はそんなカノンの優しい笑顔に心が癒され、微笑んでいた。
< 159 / 171 >

この作品をシェア

pagetop