あやかしの集う夢の中で
「桜介、私も桜介があやかし王を倒すって信じるよ。

悔しいけど、私じゃあやかし王を倒せない。

もしも奇跡を起こせる人がいるとしたら、それはきっと桜介だよ」



誰よりも弱くて情けない桜介を知っているはずの愛理が、桜介を頼り、信じていた。



そんな愛理を見て、桜介は愛理の信頼に応えたいと真剣に願った。



そしてその強い思いは、きっと自分の力になると信じていた。



「それじゃ、時宗を助けて、あやかし王を倒してくる。

夢の中の世界でオレは最強だ。

オレよりも思いが強い奴なんてどこにもいるはずがないからな」



桜介は笑顔でそう言うと、愛理とカノンに背を向けて、あやかし王へと目を向けた。



自分が狙うのは一撃必殺。



桜介は秘めた思いを胸にあやかし王へと走り出していた。
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