あやかしの集う夢の中で
「時宗君、夢妖怪って本当にいるんだね」
愛理がそう言って、ようやく黒縁の丸メガネを外したので、桜介がそのメガネにそっと手を伸ばすと、愛理が桜介のその気配を察してメガネを桜介の手の届かないところにスッと逃がした。
すると、桜介はまたメガネの方に手を伸ばし、愛理がそれをまた逃がす。
そんな桜介の様子は猫じゃらしで遊ばれている猫みたいだ。
カノンは桜介と愛理の様子を見ながら、楽しそうに微笑んでいた。
「夢妖怪は滅多には現れないが、きらびやかな夢を見つけると、そこに集まる習性があるんだ。
つまり如月舞のピアニストになるという夢が、夢妖怪の格好の餌だったということだ。
ヤツらは如月舞の夢が消えるまで増殖し続ける。
誰かが夢妖怪を退治しないかぎりは」
時宗の衝撃的な話に愛理が動揺している隙に、桜介は愛理の手にあった黒縁の丸メガネをゲットして、そのメガネをかけてみた。
そして桜介が時宗の映っている動画をのぞき込むと、桜介の目にもハッキリと夢妖怪の姿が見えていた。
愛理がそう言って、ようやく黒縁の丸メガネを外したので、桜介がそのメガネにそっと手を伸ばすと、愛理が桜介のその気配を察してメガネを桜介の手の届かないところにスッと逃がした。
すると、桜介はまたメガネの方に手を伸ばし、愛理がそれをまた逃がす。
そんな桜介の様子は猫じゃらしで遊ばれている猫みたいだ。
カノンは桜介と愛理の様子を見ながら、楽しそうに微笑んでいた。
「夢妖怪は滅多には現れないが、きらびやかな夢を見つけると、そこに集まる習性があるんだ。
つまり如月舞のピアニストになるという夢が、夢妖怪の格好の餌だったということだ。
ヤツらは如月舞の夢が消えるまで増殖し続ける。
誰かが夢妖怪を退治しないかぎりは」
時宗の衝撃的な話に愛理が動揺している隙に、桜介は愛理の手にあった黒縁の丸メガネをゲットして、そのメガネをかけてみた。
そして桜介が時宗の映っている動画をのぞき込むと、桜介の目にもハッキリと夢妖怪の姿が見えていた。