青は奇跡
あまりに突然のことで動くことが出来なかった。
どきどきするというよりも何が起きたかを整理するだけで精一杯だ。
寒さなんか感じないくらいに感覚が麻痺してしまった。
「おい、千鶴」
「……」
「千鶴?大丈夫か?」
「……ん、なん、とか」
「さっきは自分からキスしてきたのにされるのは無理なの?」
「……」
どうしよう、自分からしておきながら顔を上げられない。
今なんか耳まで真っ赤だろうからきっと人に見せられない。
いじけた子供のようにぼそぼそ「行こう」と言うことしか出来なかった。
なかなか上手く振る舞うことが出来ないわたしになんだかんだ燦は付き合ってくれる。
「あんまり大胆にならない方がいいよ」
「……分かってる」
「意外と千鶴って意地っ張りだよなあ」
「そんなことないよ」
電車に乗ると、暖かい空気で涙が出そうになった。