青は奇跡
「……もうちょっといたかったな」
「何それ」
「え?」
「それ今言う?」
「……何か、まずかった?」
「この電車で言うことか?
俺だって千鶴のこと帰したくないんだけど」
言われながら頬が紅潮するのが分かる。
燦は自覚してそういうことを言っているのだろうか。
「……」
「じゃあどうする?
帰らないか、帰るか」
質問された時、誰かに心臓を揺さぶられたみたいに動揺した。
帰らない、ということが何を意味するのかは本能的に分かってしまった。
……わたしだって、このまま帰りたくない。
だって、今日はすごく楽しくてずっとこの時間を過ごしたいくらいだったのだから。
だけど……、
「……帰る。ごめんね、燦」
「謝るなよ、絶対に無理はさせないから安心して」
「ありがとう。
……本当に今日は、楽しかった」
「ん、俺もすっげえ楽しかった」