青は奇跡
もうすぐ電車を降りないといけない。
最寄り駅まであと4駅、3駅。
もっと話したいのに。
素敵なアクセサリーをありがとう、クリスマスマーケットに連れて来てくれてありがとう。
それから、わたしにいつも気持ちを伝えてくれて、ありがとう。
言いたいことはたくさんあるけれど、何から伝えたらいいのか。
電車が止まる。
……あと、2駅。
車窓から、少しいびつな三日月が見える。
星もいくつかキラキラと瞬いている。
空気の抜けるような音を立てながらドアが閉まる。
「次の駅か」
「……うん」
「あとで写真送るよ」
「え?写真?
わたし撮られた記憶ないんだけど」
「まあ、な」
「いつ撮ったの?
……そんなにたくさん撮ったの?」
「ん、それはお楽しみな」
唇の前で人差し指を立てる燦の姿はなんだかミステリアスで目が離せなかった。
……わたし、どんだけ燦のことが好きなの。