青は奇跡
「ちょ、ちょっと2人とも声が大きいって!」
「いやいやこれは叫んじゃうよ!」
「そこは静かにお願い……」
燦の方をちらりと見ると、まだ来ていないから良かったものの、早く2人に落ち着いてもらわないと燦に申し訳ない。
たぶん燦もわたしのように大事にされるのが好きじゃないと思うから。
「いやあ、朝からいいお話聞かせてもらったよ」
「あたしこれでしばらく元気かも」
「ちづもなかなかやるね!
あいつを落とせるなんてすごいよ!」
「そ、そうなんだ……」
2人の勢いに押されるように意味のない言葉しか口から出てこない。
だけど、燦がわたし以外にアクセサリーをあげたことがないかもしれないということは、浅ましいわたしの心を喜ばせた。
身の丈に合わないことは分かっている。
それなのに、わたしの心は嬉しくて弾みそうになる。