青は奇跡
「おまたせ」
「千鶴、行こう」
「うん」
そろって昇降口を出ると、北風が吹き付けた。
マフラーを巻いていちばん分厚いインナーをブラウスの下に着てもこの風の冷たさには勝てない。
やっぱりコートを着てくるんだったな、と反省して隣を歩いていあると、燦が話しかけてきた。
「寒いな」
「そうだね。燦、わたしよりも薄着だから風邪引かないようにね」
「ありがとう。
これはスカート短い女子は大変だな」
「うん、寒いと思う」
「今日はどこに行く予定なの?」
「着いてからのお楽しみ」
「お楽しみ、かぁ」
「うん、楽しみにしておいて」
「ありがとう」
電車に乗るのだろうかと思ったけれど、燦は駅の前を通り過ぎて、まだ歩く。
周りにはわたしたち以外に同じ制服を着た人はいない。
時間にしてそれほどかかっていないとは思うけれど、知らない道を歩いているからか、ずいぶん歩いてきた気がする。