青は奇跡
「着いた」
「……ここ?」
初めて来る場所で、何が何だかよく分からない。
いろんな情報が濁流のようにわたしの頭に流れ込んでくる。
「うん、千鶴はこういうの好きかと思って」
「美術館かぁ」
「期間限定だったから、せっかくだしどうかなって」
『空の美術回廊』と期間限定の垂れ幕に書かれていた。
燦を見ると、少し照れ臭そうに笑っていた。
朝の「考えとく」という言葉は、これのためだったのかもしれない。
わたしが空を見ている姿を、燦は見ていたのかもしれない。
「……見てたの?」
「空、好きそうだったから」
「うん、大好き。
ありがとう、連れてきてくれて」
「ん、入るか」
入場料を払い、チケットをもらった。
「綺麗なチケット」
「うん、綺麗。
大事にするね」