青は奇跡
歩きながら、つくづく不思議だと思う。
あの絵は朝焼けの絵なのに、わたしと燦は夕方を連想した。
オレンジ色には懐かしさを感じさせる何かがあるのだろうか。
「また明日」
「うん、また明日」
わたしたちは手を振って別れたけれど、わたしはすぐには帰る気になれなくて、しばらく家の近くを歩いた。
「夕飯まだ作っていないな」とは思うけれど、今日はそれ以上に何も考えたくなかった。
理由は分からないけれど、本当に、何となく。
見上げると、さっきはなかった星が東の空に瞬いている。
はあっと息を吐き出すと、雲のように白い息が夜に溶けて消えた。