青は奇跡






現に、教室に戻ってもわたしを気にかける人は誰もいない。


友達が少ないことはそれほど苦ではないけれど、周りの気遣うような目だけが痛かった。


気にするなら話しかければいいと思ってはいるものの、わたしには直接文句を言う度胸はない。




隣の席はやっぱり今日も空いている。


つくづく不思議な人だと思う。


不登校ってわけではないけれど、学校に来ないことがよくある。


友達は当然のことながらわたしよりたくさんいるし、学校に来ればそれなりに人とつるんでいる。


仲良さげに友達と小突き合っているのを廊下で見かけたことも何度かある。




1週間ちゃんとやって来る日もあれば、1日しか登校しないこともある。


気分次第で登校しているんだろうなと思うけれど、それにしてはあまりに気分屋過ぎる気がしてどこか納得しきれない。




考えているうちに数学の先生が入ってきてしまい、またクラスメイトと話さなかった時間が増えた。







< 2 / 177 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop