呑みますか、呑みませんか。

「赤ワインは、お肉に。白ワインはお魚に合うって気がしてます」

「それは俺も聞いたことがあるな」


 お酒に強いわたしだけど、詳しいわけではない。


 タマキさんが日本酒の瓶を数種類もってきてテーブルに並べてくれるが、どれも知らないなあ。

 一升瓶ではなく小さなサイズだ。

 かわいらしい。


 ――――今日は用意してないけど


 次があるって思ってもいいのかな。

 こういうことする相手が他に現れるまで、わたし、タマキさん独占できちゃいます?


「これも、飲み比べセット的なものですか」

「ああ。甘口から辛口まで」


 るんるんですね。

 どんな顔して買い物してたんです?

 通販、かな。

 ほんとかわいいんですけど。


 きっと、お酒、好きなんですよね。

 なのにたくさんは飲めないのが辛いということですね。


 体質的にお酒に強くなる方法ってないのだそうだ。

 毎日飲んで慣れるものでもないし、強くなるための手術だってない。


 だけど空腹で飲むのを避けたり、ゆっくり飲んだりして、アルコールの吸収を抑えたり酔いを遅らせることは可能だとタマキさんが言っていた。
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