住みますか、住みませんか。

「ただ、誤解しないでもらいたいのは、あくまで色んな子としたいなって考えていても実行にうつす人間ばかりじゃなくて。浮気しないために敢えて風俗行くってケースもあれば、さっさと一人で処理するやつもいる」

「わかってます。人に、そういう欲があって。それを満たすために通うオトナ向けのお店やビデオ、漫画があるんだろうなってこと。それらに携わる方々は、立派に働いておられて。その利用者に否定的になるなんて考えも。わたしは……したくない」


 もしもチヒロくんが、わたしと付き合ってから、えっちな動画見てわたしじゃない女の子に興奮なんかしていたら……へこんじゃうし。

 お店の女の子と本気じゃなくても甘いムードになっていたらって思うと、泣きそうになるし。

 それ以上のことしてたとしたら、思考停止しちゃうだろう。


 でも、チヒロくんがくれる優しさも愛も本物で。


 だったら、知らないことは、知らないままの方がいいの?


「全然、わかっていないよね。動揺しすぎ」


 しちゃうよ。しないわけないよ。

 ……チヒロくんが、好きだから。
 
「きっとオギノちゃんは、タマキには王子様でいて欲しいんだよね。あいつも普通の男なのに」

「みんなのアイドルに、わたしだけ見て欲しいっていう。……ただの、いち事務員のワガママです。スルーしてください」

「妬けるなあ。そりゃあ。タマキは男前だけど。タマキばかり見ないでさ。少しくらい僕のこと――」

「釣り合いません、よね」

「え?」

「わかってます。わたしが、チ……タマキさんと並ぶのは。贅沢だって」
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