住みますか、住みませんか。



「わあ。それは。僕の大切な眼鏡が壊れかねないし。顔に傷がつくのは遠慮願いたいね」

「オギノは。……環は俺が送ります」

「そっか。オギノちゃんの名前。そうだったね」

「もうわかってるんですよね? 環と俺の関係」


 え?


「僕がどれだけ問い詰めても白状しないから。オギノちゃんに教えてもらっちゃった」


 ――――!


「環は口の軽い女じゃないです。ただ。バカ正直ですから。……あなたが話すよう仕向けたのでは?」

「よくわかってるね。さすがタマキ。カマかけたらあっさり認めたね」

「まったく。……あなたって人は」

「こんな可愛い後輩を独り占めした挙げ句、ナイショにしているタマキもタマキだよ。心配しないでいいよ。まだキスもしていないから」

「してたら刺します」

「おっかないねえ」

「そいつ傷つけるようなことしたら。許しませんから」

「若いね」


 羽鳥さんが、タクシーから降りる。


「じゃあね」


 このまま帰しちゃって、いいのかな。

 羽鳥さん。

 わたし達をからかっていたの?

 それとも……


「乗ってください!」


 わたしの言葉に、羽鳥さんが目を見開く。


「なに言ってんだ。環」

「3人でチヒロくんの家に行こう!」

「はあ?……なんで俺の」

「飲み直しませんか」
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