住みますか、住みませんか。

 …………っ!?


「楽しかったか? 羽鳥さんと飲んで」


 チヒロくん、口悪い。怒ってる……?


「…………うん」


 ううん。心配してくれているんだ。わたしに危機感が足りないから。


「オギノちゃん。そこは、肯定するんじゃなくてさ。タマキが放っておくから寂しかったのって言っちゃえばいいのに」

「……いえ。チヒロくんは忙しい中、わたしに時間割いてくれてますから、寂しくないです。寂しくなってもまた会えると思って我慢できます」

「少女みたいなこというね、君。それでもあんなにアルコール吸収しちゃうんだから。怖いねえ」

「それに、羽鳥さんのお話」

「僕の話がどうかした?」

「さすが営業マンって感じで、どれも面白かったです。ちょっと考えさせられる話もあったりして。わたしを楽しくさせるの上手だなって思いました。そんな時間もそうですし、あのお店で味わったお酒とお料理も、最高で。それを全部なかったようなことに……。ましてや、悪いことしちゃったみたいにしたくなくて」


 羽鳥さんが、目を見開く。


「有意義でした。だから。"うん"って言いました」
< 28 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop