住みますか、住みませんか。

 羽鳥さんをマンションの下まで見送ったチヒロくんが家に帰ってくる。


 ……気まずい。


「なにか。言うことある?」

「遅くまでお仕事おつかれさまです!」

「一番がそれか」

「え?」

「言い訳しないんだな。少しも」


 いつものチヒロくんに、戻った。


「……なに、を?」

「なにって。そりゃあ。……まあ。もう、どうでもいいか」

「嫌な気分に。させちゃったね」

「たまちゃんが楽しかったなら、いいよ」

「でも」

「せめて連絡して。これからは」

「うん。心配かけて、ごめん」

「ほんとは、羽鳥さんと二度と二人きりになるな……って言ってやりたいけど。さすがに。そこまで縛るのは……どうかと思うし」


 あれ。


「羽鳥さん、軽いようで周りがよく見えていて。いざってとき頼りになって。仕事もできて。大人の色気と余裕あってさ。上司として尊敬してる。それだけに……たまちゃんに近づかれると。焦る」

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