冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい
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「物資の運搬が終わりました。不足していた消毒液やゴミ袋も届いています」

「あぁ、助かりますランシュアさん。怪我人の手当ても済んで、やっと一息つける」


翌日の午後十二時をまわった頃。

開戦から四日経ち、騎士団は変わらず戦場へと赴いていた。丘からは見えないものの、今も激戦が繰り広げられているはずだ。

負傷兵は増えていく一方で、そろそろ限界に近い。

早くこの戦いにピリオドを打たなければ。


その時、テントの外が騒がしいと気づく。また怪我人が来たのかと思ったが、テントに入ってきたのはアスランから伝令を任されたらしい若騎士だった。


「ランシュアさま、私が護衛につきますので早く王都にお戻りください」

「護衛?一体なにがあったのですか?」

「実は、隣国の軍の一部隊が本体から離れて、この拠点に奇襲を仕掛けようと動いているのです」


ぞっ!と体に震えが走った。

周囲の医師や看護師も顔がこわばる。


「まさか、戦の心臓部とも呼べるテントを占拠するつもりなのですか?」

「いえ、相手の狙いはランシュアさまのようです。人質にとって陛下を落とすつもりなのだとアスラン団長が言っておりました」

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