冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい
言葉を失う一同。
レウル様だけが全てを理解したように頷いている。
ドレイク=ハヴァード?まさか、ドレイクさんが?
動揺していると、同じく状況を把握しきれていない様子の隣国兵が噛みつくように声を上げた。
『隣国の不正だって?そんなものあるはずがない!』
『いいえ。隣国の廃倉庫から、燃えて海に沈んだはずの商品や紙幣が発見されました。品番や記番号が一致した上に、船長以外の乗組員の生存も確認されたのです。隠蔽の指示があったとの証言もあり、情報の信憑性は高いでしょう』
単独で動いていたドレイクさんが不正情報を掴み、国際裁判機関に乗り込んでアルソートの潔白を証明したのだ。
これで、さらなる犠牲を払わずとも戦争は終結する……!
「陛下!」
テントの方角から駆けてきたのは、アスランだ。
服にはあらゆるところに傷があるが、ひどい怪我は負っていないらしい。こちらの無事を確認し、表情がわずかに和らいでいる。
『さぁ、馬車へとご案内いたします。共に参りましょう』
サメノア国の使者に導かれ、立ち上がるレウル様。庇う姿勢のまま抱きついていた私が、はっ!と我にかえって離れると、凛とした顔が目に映った。
「行ってくるよ。ドレイクと帰るから、城で待っていて欲しい」