冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい
え?
言葉の意味がすぐには理解できなかった。
側で聞いていたカリーヌも声が出ない。
「撃たれた?詳しく説明していただけますか?」
「先ほど、ドレイクから電報が届いたのです。アルソート領に入る際、国境の町の住人が陛下を出迎えたそうなのですが、その中に隣国の間者が潜んでいたらしく、至近距離で一発被弾したと」
呼吸すら忘れた。
まさか、アルソート国内で撃たれたなんて。
おそらく、国民を大切にするレウル様なら、移動中だとしても出迎えの声に応じて馬車を止めるはずだ。呼び止めたのが王都に避難して苦労をかけた人々なら、なおさら会ってお礼を伝えたいと思うだろう。
そこを狙うだなんて、なんて卑怯な。
「なぜ、避けられなかったのですか?疲労が溜まっていたとはいえ、レウル様は護身術に優れている上に警戒を怠らないでしょうし、側にはドレイクさんがついていたはずです」
「それが、子どもを庇って撃たれたそうです。ドレイクの話では、間者はわざと民衆に拳銃を向け、陛下はその弾道に飛び込んだと」
「そんな!」
間者はすぐにドレイクさんに捕らえられたそうだが、レウル様の傷は深く、近くの病院に運び込まれたらしい。