冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい
有事に備えて城を離れられないエルネス大臣に代わり、すぐにアスランと共に馬車で国境の町へと向かった。
指定された病院に駆け込むと、控え室にいたドレイクさんに頭を下げられる。
「陛下を守りきれず、すまなかった。死んでも償いきれない。俺がもっと早く気づいていれば」
「お前だけのせいじゃない。戦を終えて警戒を強めなければいけない状況なのに、対策をしていなかった俺にも責任がある。自分を責めるな」
平静ではいられない様子の相棒をアスランがなだめた。
心穏やかではない私は、気遣いながらも早口で尋ねる。
「レウル様の容態は?」
「幸い、心臓は逸れていますが、出血が多く危険な状態です。加えて国境の町は医療設備があるといえど、輸血はこの前の戦争でだいぶ使用してしまっていて、国中から手配しなければならないらしく……間に合うかどうか」
背筋が震えた。
“このままでは死ぬかもしれない”
そう思った瞬間、血の気が引いていく。
どうしてこんな試練を与えるのだろう。死戦をくぐりぬけ、長い裁判を終え、やっと待ち望んだ日常が帰ってくると思ったのに。
「そうだ、献血を募るのはどうだ?遠い地区から運ばれる輸血を待つより早いだろ」