冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい
言葉の意味を理解した瞬間、すべてを察する。
ドクドクと脈打つ心臓の音を自覚していると、混乱した様子のアスランが尋ねた。
「さっきはレウル陛下が母方の血液型を継いでいると言っていましたよね?その理論ならば、陛下はA型。ダルトンさんの血液型も適合するじゃないですか」
「あんた、酔っ払ってんじゃねぇだろうな」
後に続いたドレイクさんの語気が強い。
命の灯火が消えかかる切迫した状況で、訳の分からない話をしだした外交官に苛立ちを隠せない様子である。
しかし、ダルトンさんの発言は“合っている”のだ。
一言も声が出せない。
「いいえ、酔っ払っているわけではありませんよ。私の言ったことはすべて真実です」
ダルトンさんは表情ひとつ変えずに答えた。
この人は、今からなにを言おうとしている?
止めなければ
止めなければ……!
止めなければ!!
忠誠を誓う臣下たちの前で、隠してきた過去が晒されてしまう。
しかし、無情にもその爆弾は落とされてしまったのだ。
「王族の血が適合しないのは当然です。甥のレウル=クロウィドは、王妃とは何の血縁関係もない、兄と愛人との間にできた子どもですから」