冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい


これは巧妙に仕組まれた罠だ。

王族の血が適合しない事実と、偽装しようがない戸籍。そして、陛下によく似た青い瞳の女性。

ここまで証拠を揃えて提示されたら、信じざるを得ないだろう。

全国民がこの事実を知ったのなら、おそらく王都は大混乱だ。城にいるエルネス大臣のもとに人が押し寄せているかも知れない。

無言の臣下たちを前に、ダルトンさんは冷淡に言い放った。


「私は甥を助けるために来たのではありません。裏切り者を救う意義を問いに来たのです。正統な王位継承権を持つのは私だ。かりそめの王は、もはや生かす価値などないのでは?」


目の前の男は、この機を狙っていたのだ。

先代の王と王妃が嫡男だと正式に発表した以上、ただ声を上げただけでは信じる者なんていない。

しかし、否定しようがない証拠とともに兄のスキャンダルや出生の秘密をすべて同時に暴露したなら、世論は味方につくだろう。レウル様が死に瀕しているなら、その流れのまま始末するのもたやすい。

隣国との揉め事が起こる中、ダルトンさんはずっとタイミングを見計らっていたに違いない。自分が、王位につくために。


「ランシュアさんは知っていたのではありませんか?甥が、唯一自分から側に置いたあなたなら」

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