冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい
ダルトンさんの言葉に、臣下のふたりがこちらを見た。
じっと返答を待つ彼らは視線を逸らさない。
否定しない私を見て目を見開くふたり。
隠すつもりは無かった。
「私を裏切り者の共犯者だとおっしゃるならば、否定はしません。ですが、私は全てを知っても、あの人が偽善者だとは思えませんでした」
部屋がしぃんと静まり返る。
自分の言葉で精一杯伝えるしかない。感じてきたものや抱いた気持ちは嘘ではないから。
「レウル様は過去を背負って苦しみながらも、弱さを見せずに多くの臣下を導いてきました。最後まで国のために戦い、未来を担う子どもに命をかけた彼が裏切り者として死ぬのなら、私は裏切り者に添い遂げた共犯者として国の歴史に悪名を残します」
非難を浴びようが、断罪されようが構わない。
私まで彼を否定したら、あの人が信じて積み上げてきたものが砂になる。
国中の全員がレウル様に刃を向けても、生かす価値がないと言われても、嘘はつかない。
私を地獄から救ってくれたのはあの人だから。