冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい


ご褒美?

目を丸くすると、優しく手に絡められる指。誘うような仕草に体がこわばった。


「あのっ、レウル様?」

「うん?」

「どうして、手を」

「掴まないと逃げられる気がして」


甘い声が耳をくすぐる。

冷酷非情な青い薔薇でも、微笑の仮面をつけた陛下でもない表情。手をとられたまま軽く体重をかけられ、呆気なくソファに押し倒された。

ご褒美って?素直に夜会に同伴したから?それとも、ダルトンさんとのやりとりでうまく立ち回ったから?

いくら色恋の経験がないとはいえ、“そういう雰囲気”くらいはわかる。はしたない想像はしたくないが、今、迫られているのは事実だ。

余裕たっぷりな陛下はかすかに口角を上げた。


「今キスしても、薔薇酒の味がするのかな」

「そ……それはどうでしょう。薔薇酒が気になるのでしたら、後でエルネス大臣に預けたものを飲んではいかがです?」

「待てない。今すぐ欲しい」

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