冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい
ゆっくりと歩み寄って隣に腰を下ろす彼。
安心させるように背中をさすられ、徐々に恐怖が消えていった。
「事情を話してくだされば良かったのに。口説くように押し倒したのはわざとですか?」
「ふふ。君に溺れていると思わせたほうが都合がよかったんだよ。それに相手がどんな武器を隠し持っているかわからないだろう?いきなり銃で撃たれたらまずいから」
万が一に備えて、弾丸が当たらないようにソファに隠して守ってくれたらしい。どこまで頭がきれるんだ?
この人は、私が一挙一動を間に受けてドキドキしている間に敵をどう落とすか考えていたのか。これっぽっちも手を出す気がなかったのだと知り、すごく恥ずかしい。
「全部演技だったんですね。全く気がつきませんでした。私、てっきり」
はっ!として声を止める。数秒目を丸くしていた彼は、やがて興味を惹かれたように距離を縮めた。
あ、だめだ。この顔は逃す気がない。
「てっきり、何?」
「いえ、なんでもありません」
「期待した?」