冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい

たしかに、私はまだレウル様と出会ってほんの二週間ちょっとしか経っていない。

だが、その間に王として慕われる理由をたくさん知った。それはその場しのぎではなく、心から臣下や民を思って公務にあたっていると伝わるものだった。

見せかけの王だなんて評価は見合わない。

先代の王が後継者をレウル様にした理由がわかる気がする。ダルトンさんは先ほどから自分の意見は全て正しいと言わんばかりだ。独裁者の片鱗をみせるこの人が王になっていたらと想像するだけで、ぞくりとした。


「何か言いたげな目ですね。ひとつ忠告しておきましょう。余計な情を抱く前に、ここを離れた方がいい。あの男は、自分のいいように動く駒しか近くに置かない性質(たち)なのです。いくらあなたが寄り添うつもりでも、見返りを求めようものならすぐに突き放されますよ」


密偵に狙われた昨夜の記憶が蘇る。

レウル様は決して助けを呼ばない。表向きの顔しか見せないで、いつも一線を引くような態度をとる。ダルトンさんの言い分はもっともらしく聞こえた。

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