冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい
顔を上げると綺麗なターコイズブルーの瞳と目があった。どうやら、会話が聞こえていたらしい。
「ダルトンさんは相手にするのが難しい人だから、揉め事が起きないように動きを追っていたんだ。まさか、ランシュアに絡むとは想定外だったけど」
「それで駆けつけてくださったのですね」
「君が目をつけられたら困るからさ」
どこか不安げに呟かれた言葉。
真意を図りかねて首を傾げると、小さくため息をついたレウル様は肩に手を置いて続ける。
「俺を庇ってくれようとしたんだよな?ありがとう。でも、今後はあの人の前で俺を肯定するような発言はしなくていい。ダルトンさんの言ったことはだいたい合っているから」
「どういう意味ですか?」
「そのままだよ。俺は威厳のある君主を演じているだけの見せかけの王。政治だって全てがうまくいっているわけじゃない。過去には夜会で苦言を呈されたりもしたからな」
アルソート国の地方では職にありつけず、その日暮らしの生活をしている人もいる。実際、火事に巻き込まれる前まで暮らしていた田舎は失業して流れ着いたゴロツキばかりだった。
国民との交流のために開く夜会も、好感度を上げる目的の政策にすぎないと、ののしる人もいるだろう。
それを理解したうえで受け止めるレウル様は、決して表にはださないが、傷ついているように見えた。