冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい
待ち合わせに指定されたのは書斎だった。
普段は執務室としても使われている部屋で、多くの資料や本が綺麗に棚に並べてある。王族の居住エリアである東棟にあるため、めったに人の出入りがないようだ。
肘掛のついた大きな椅子に座って来訪を待っていたオーラに圧倒される。
「話とはなんでしょう?」
「おいで」
愛しいペットでも呼ぶように手招きをされた。
おずおずと重厚なテーブルに歩み寄ると、対面する彼は小さく息を吐きながら肘をつく。
「話の前に確認したいことがあるんだ」
「確認ですか?」
「ああ。君は今でも、俺の妃になりたいと思っているか?」
投げかけられた問いはシンプルだ。
レウル様は畳みかけるように続ける。
「たしかに俺は、君にとってこれ以上ない政略結婚相手かもしれない。でも、その対価以上に俺が危険をはらんだ存在だって言ったらどうだ?」
「危険?どういう意味です?」
「小さなキッカケで地位や名声を全て無くすほどの爆弾を抱えている、と言った方がわかりやすいかな」
私を試しているのか?
なにがあっても裏切らないかどうか確かめたいの?
少しの沈黙の後、ゆっくり口を開く。
「構いません。あなたがビジネスにおいて必要としてくださるなら、私なんかがお役に立てるなら……どんなものを抱えていようと、ともに背負ってみせます」