冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい
母親と信じてきた女性と血の繋がりがないと知ったレウル様は苦悩したはずだ。
自分は今まで王妃にどのように思われていたのだろう?心の中では顔も見たくないほど嫌われていたのではないか?そう考えてもおかしくない。
そこに畳み掛けるように民衆から支持されていた憧れの父が愛人を作っていた事実がのしかかり、裏切られたと深く傷ついたに決まっている。
誰にも言えずに、いったいどんな気持ちで。
同情なんて言葉ではまとめきれない気持ちが溢れた。
「なぜ、そんな大事な話を私に?常に冷静なあなたが、気まぐれにぽろっと口にするはずがありません。私が外部に漏らすかもしれないと疑わなかったのですか?」
すると、小さく肩を揺らす陛下。
数秒の沈黙の後、ギシッと背もたれに体を預けた彼は、うつむきながら呟く。
「本当だ。らしくないな。小さな火種も丁寧に摘み取るのが俺のポリシーだったはずなのに」
視線だけこちらに向けられ、胸が鳴った。
上目使いの表情は憂いを帯びていて、どこか寂しげな姿に目が離せない。
「君に知って欲しかったのかもしれない。仮面も刺も取り払った、そのままの俺を」