冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい
椅子から立ち上がり歩み寄ったレウル様はまっすぐこちらへ向き合った。目線を合わせるように屈まれ、整った顔立ちが目の前に見える。
「おそらく、この話がバレたら国を追われる。今まで国民と臣下を騙して生きてきたんだ。妻になれば、道連れにするかもしれない」
玉座に座っていられるのは、革命を成し遂げた先代の王の息子だから。国民が陛下の指示に従うのも、税を納めるのも、全てその信頼の上に成り立っている。
自分の払った税金で裕福な暮らしをしていた王族のゴシップが流れたら、失望されたり不信感を抱かれたりするのも理解できた。
「でも、レウル様は悪くないじゃないですか。出生は自分で選べないのに……もしかして、今まで妃候補を追い出してきたのは、彼女たちの人生を守るためだったんですか?」
無言は肯定だ。
人生の転落というリスクをはらんだ結婚。それなりに豊かな生活ができるとはいえ、普通の女性なら危険な賭けには乗らないだろう。
そもそも、城に来るのは政略結婚目当ての人が大半である。王族との結婚で家の負債が消えたり経済が一時的にうまくいっても、爆弾をともに抱えるはずがない。