冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい


「俺の妃になるの、怖くなったか?」


見定めるようにターコイズブルーの瞳が細まる。


「ランシュアも家の負債を消すために城に来たんだろう?政略結婚の道具として育てられてきた君に、こんな質問をするのは酷か」


なんとなく突き放す言い方に胸が苦しくなった。

本当は、刺のあるセリフを言いたくないんでしょう?受け入れてくれる存在を求め続けてきたんじゃないの?

やっと、今まで感じていた孤独の気配の正体に気がつく。

この人は私と同じ。ずっとひとりで戦ってきたんだ。

涙が止まらない様子にくすりと笑われる。


「ランシュアは優しいな。好きでもない男にこんなに心を砕いてくれる女性を、俺は他に知らない」


つぅっと指で涙を拭われ、肩がはねた。


「君は、自分が利害の一致だけで利用されているんだって忘れたのか?今も弱っているフリをして優しさにつけ込もうとしているのかもしれない。俺は、君が思っているよりも悪い男だ」


レウル様は、いつも本当か嘘かわからない言葉で翻弄してきた。

本心を隠して軽くあしらい、一定の距離を保った態度のままでいる。そして自分を多く語らないかわり、こちらに深く踏み込んでこようともしない。

だけど、隣国へ売り飛ばされそうになったときに迎えにきてくれたのも、ダルトンさんから庇ってくれたのも、私の見てきた彼だ。

目で見た事実を信じてみたい。

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