【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
途端に怖くなって歩く速度を上げる。
大丈夫……。
あの夜、私が目が合ったのは白坂くんだけで、銀髪の男はいなかった。
それに、黒くて長い髪の男だってここにはいないんだから。
でも、どうしてこの人達が私の学校の前にいるのだろうか。
……そういえば、少し前に女子が窓の外を見て騒いでいた。
それってもしかして、この人達がいたから?
「見つけたかも」
「きゃ……っ!?」
男達の前を通った直後、その声とともに、ものすごい力で二の腕を掴まれた。
「おい。ちょっと待てよ」
ドスの効いた声にビクリと大袈裟なほど身体が反応した。
「ヒッ……」
銀髪男は、ジッと私の顔を舐め回すように見る。
「お前だろ? 白坂凪の女」
じっとりした声で突然問われ、たちまち頭が真っ白になった。
言われた意味を理解するまで数秒、時間を要した。