【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「やーーっと来たか! 白坂凪! 会いたかったぞ」
私の肩を抱いたまま、振り返った銀髪男は、歓喜の色を含んだ声で意気揚々に言った。
「俺も死ぬほど会いたかったよ。その子に、ね?」
それはまるで、先ほどまで聞いていた白坂くんの声とは思えないものだった。
白坂くんの漆黒に染まった瞳が銀髪の男を捕える。
相手を今にも闇に葬ってしまいそうな空気を醸し出していた。
「こいつ、やっぱりテメェの女か?」
「期待させて悪いけど、生憎、学校が同じなだけだ。他に理由はない」
感情を捨てた冷淡な声で吐き捨てると、白坂くんは私を一瞥(いちべつ)した。
今この場は常軌を逸している。
普通じゃない、こんなの……。
だからそれが、これ以上私を巻き込まないためなのだろうということは理解出来る。