【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
あの人と呼ばれる人物が、誰のことを言ってるのかもわからない。
それでも絶え間なく恐怖が襲ってくる。
「血も涙もない道理に反した奴らに、情けは無用……か」
「おいおいおい。それは褒め言葉か?」
白坂くんが無言の圧力で威厳を見せると、銀髪男が身構えた。
その一瞬の隙をついて、白坂くんが銀髪男の腕を鷲掴みにした。
「離せって言ってんだろ? な?」
ニコリ、と白坂くんがつくり物のような笑みを貼り付けた直後。
「痛えぇぇぇ…………!!!」
鼓膜をつんざくような悲痛な男の呻き声が、静寂に木霊した。
白坂くんが男の腕をひねりあげていたから。
容赦なく、不自然な方向へ曲げられた腕。
苦痛に襲われた銀髪男の手が、私の肩から解かれる。